大正庵の冷やしとろろそば 　大正庵とは、東京都多摩西部・青梅市にある1912年(大正元)創業の老舗そば屋。奥多摩方面に出かけると必ずここに立ち寄り、冷しとろろそば 850円を食べる。値段の割に量が多く、追加料金を支払えば、大盛りにしてくれる。 　もっとも大正庵では、季節を問わず、この冷しとろろそば 850円しか食べたことがないので、店内に掲げられた他のメニューがどんな味なのかは知らない。よって 　　　　　　　お勧めできるのは、あくまでも冷しとろろそば 850円だけである。　 　毎年11月から新そばの季節になるので、このころ訪れると最適だろう。奥多摩の紅葉も見頃のはず。 　店内で食事を済ませた後、お持ち帰り用生そば（１箱２人分 約350g）・つゆ付きを２つほど買って帰る。店の方の話では、「防腐剤などは一切使っていないので、できるだけ早く冷蔵庫に保管して、その日の内にお召し上がり頂きたい」とのこと。 【大正庵店主談】 　 ● 営業時間 11時30分〜19時30分 ● 休み 月曜（但し月曜日が祝日の場合は営業し、翌火曜日が代休） ● 住所 東京都青梅市上町329 ● TEL 0428-22-2765 ● 駐車場： 　店舗向かいにある青梅市民会館裏（北側）に駐車場があり、そこで渡される駐車券に、会計後、大正庵がスタンプを押しくれる。それを駐車場係員に見せれば無料で利用可能。駐車場は市民会館に向かって左側の路地奥にある。 　 老舗で食べて、自宅に戻ってまた食べる。 　大正庵の定番かつ推奨の冷やしとろろそば。 　完全に平たいざるに盛られたそば。盆を持ち上げても水がしたたり落ちない。 　薬味は、刻みネギ・大根おろし・七味。七味はおそらくこの店のオリジナルではないかと思う。わさびは使わない。 　店全体が古風な作りの上、照明が暖色系なのでストロボを使わず（室内撮影おける開放Ｆ値（F1.8）が明るいデジカメのメリットを感じる）、ホワイトバランスの調整も特にしないと、こうした色合いになる。 　すり下ろし方に秘訣があるのか、あるいはすり下ろした後に泡立てるのか、そばつゆの上にかけられたとろろが細かく泡を吹いている。まるでビールのようだ。柔らかく載せられた海苔の風味もよい。それにしてもピントが甘い。 　お持ち帰り用生そば（１箱２人分 約350g）。つゆも付いている。つゆの味は甘みが少なく、引き締まった感じ。 　箱を開けるとやや黒ずんだそばが現れる。色からすると、更科ではなく、田舎そばだろう。持ち上げて軽く振ってもちぎれる様子がまったくない。打ち粉はきれいに払ってあるようだ。 　そばやスパゲティーを茹でるために買った「吹きこぼれない鍋」。縁に段が付いていて、これが効果を発揮するらしい。 　できるだけたくさんの湯を沸騰させ、茹でる際にそばが中で回るようにする。茹で時間は約２分。 　途中そばを１本つまみ出して、歯でかんで茹で加減を見る。そばもアルデンテ気味がよい。 　改めて見ると、１人で食べるにはいささか量が多い。２人分だから当然だ。この時点でちょっと後悔。 　水道水をふんだんに使ってうまく引き締めたつもりだが、店で見た感じより明らかに劣る。 　店で見るそばはつやあって生き生きとしているが、自宅で茹でると、瀕死の重傷とまではいかないとしても、幾分ぐったり気味。撮影のため、手を洗っている間にもうのびたのか？ 　多すぎると言いながら食べ始めてみれば、結局、完食。決してまずくはないものの、このそばは盛り向きではない。 　自宅で食べるなら、やはり自前で大和芋を買ってすり下ろし、それをつゆに混ぜるとよいだろう。大根おろしと七味もお忘れなく。これがないとうまみが半減する 　そばの栄養分の大半が出てしまうとされるそば湯。打ち粉が少ない割に相当に濃く、２人前でも白濁する。 　食べ終わった後のそば猪口に残るつゆの上から、そば湯を注ぐ。１杯目なので味は少し濃いめ。最近、危険域に入ることが多い血圧を気にしつつ、それでもやはり飲む。 　２杯目。１杯目と比べるとかなり薄味になって、ちょうどよい加減。これなら数杯は飲める。 　結局、１日で３人前を平らげてしまった。いくら店で、「その日の内にお召し上がりください」と言われたからといって、馬鹿正直にそれを守ることもないのだが……。 　現在、午後10:30。大正庵を出たのが、午後 6:00頃。